セラピーとしてのTRPGについての心配事

AGS様で更新がありました。 【テーマ連載】CBT的アプローチのセッション運営(第1回): Analog Game Studies 伏見健二様による、認知行動療法(CBT)としてのTRPGセッションです。 xenothの立場は、TRPGを安易にセラピーとして見ることは危険であ…

謎のあるセッションをプレイする

要約 「謎」があるセッションをする際、謎を物語と捉えるか、ゲームと捉えるかで大きく変わる。 GMは自分のやりたいことが、どちらかを意識して、それをプレイヤーと共有する必要がある。 AGS様更新 会話型RPGのシナリオ・デザインのコツ――「謎」を活か…

人と異なるもののロールプレイ

短いツッコミ AGS様のサイトで更新がありました。 “人とは異なるもの”はロールプレイ可能?――『スケイブンの書』における可能性: Analog Game Studies “人とは異なるもの”を、どうロールプレイするかはTRPGにおいて、大変に面白い命題です。 xenothも…

D&Dリプレイ3つ

昨日は、ウェブで公開されているD&Dリプレイが2つ更新されるというD&D日和でした。 4gamer様で連載している「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で遊ぼう」が、第三回更新。 君はD&Dを知っているか? HobbyJapan公認連載「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で…

「海外のわけのわからないもの」に向きあうために

海外のわけのわからないものより身近なサブカルチャーを褒めろ? - Flying to Wake Island 岡和田晃公式サイト(新) 岡和田氏のブログの記事で、共感するものがあったので感想を書かせていただきます。 上記の記事で、岡和田氏は、わかりやすい、内輪のもの…

エクリプス・フェイズとダブルクロス

EP

AGS様で更新がありました。 「世界内戦」下のポストヒューマニズム――『エクリプス・フェイズ』のアクチュアリティ: Analog Game Studies 今回の更新は、 本記事は先の蔵原氏の解説を踏まえたうえで、『エクリプス・フェイズ』の世界に関心を持たれた方の…

『エクリプス・フェイズ』頑張ってください。

5月3日〜4日の「SFセミナー2011」で『エクリプス・フェイズ』のパネルが立ちます!: Analog Game Studies Analog Game Studies様が、SFセミナーにて、『エクリプス・フェイズ』紹介の企画をされるそうです。 Top Page - SF SEMINAR SFセミナーのページを…

模擬戦闘の視座よりの論戦の分析〜戦場の選択と兵站篇〜

要約 議論を戦闘として見た場合、勝利するためには、実際の戦争と同じ戦略が重要となります。 すなわち、戦場を支配し、自らのコストを減らし、相手のコストを大きくすることです。 これらを議論に当てはめることで、どのような論戦も有利に展開させることが…

遊ぼう。力のかぎり

ご挨拶 xenothです。しばらく更新が空いてしまい、時節柄ご心配おかけしたようで、申し訳ありません。 東京住まいですので、物理的には何不自由なく暮らしております*1。 今回の震災に出来ることを考えましたが、まず平常通りの暮らしを続けていくことが一番…

20年前と現在と〜キャラクターの作り方〜

もう一人の自分 AGS様が更新されました。 もう一人の自分 ―ANOTHER SELF― 〜AD&D(R)におけるキャラクター・ジェネレーションへの一考察〜: Analog Game Studies なんと、1987年といいますから、24年前に掲載された、D&Dにおけるキャラクター作成の手…

遊びのとっても豊かなルール

ここ最近は『ルールズ・オブ・プレイ ゲームデザインの基礎(上)』を読んでいました。 あらゆる意味で、裾野が広い本なので、どこから紹介したらいいか迷いますが、ここはxenothの日記ということで、TRPGプレイヤーからの視点で紹介させていただきます。 あ…

ウォーゲーマーとSFゲーマーとファンタジーゲーマー

AGS様で、更新がありました。 今回は、ダニガン『ウォーゲームズ・ハンドブック第三版』のレビュー記事です。 ダニガン『ウォーゲームズ・ハンドブック第三版』: Analog Game Studies ダニガンと空想ゲーム それは、例えば1876年の「インディアン」戦争に…

「あなたのための物語」 こころとからだとそのあいだ

AGS様で、更新がありました。 SF作家・長谷敏司の知られざる傑作『ウォーハンマーRPG』小説: Analog Game Studies 角川スニーカー文庫の『円環少女』シリーズでお馴染み、ライトノベル・SF作家の長谷敏司の、デビュー前短編、しかもウォーハンマー小説…

エクリプス・フェイズあれこれ〜恐怖とパラノイアと陰謀について〜

EP

このブログの最初の紹介記事では、エクリプス・フェイズの基本的な遊び方として、キャッチフレーズである「滅亡が迫っている。対抗しろ」を基準に説明しました。 エクリプス・フェイズ〜人類を災厄から救うのは君だ!〜 - xenothの日記 今回は、もう一つのキ…

エクリプス・フェイズとハイパーコーポ

EP

エクリプス・フェイズ〜人類を災厄から救うのは君だ!〜 - xenothの日記 の記事で間違いがありましたので、報告させていただきます。申し訳ない。文中のメガコーポ(大企業)は、ハイパーコーポ(超企業)の間違いでした。 単に、固有名詞の違いだけでなく、…

エクリプス・フェイズあれこれ〜Eclipse Phase as Science Fiction〜

EP

前回、駆け足で『エクリプス・フェイズ』TRPGを紹介させていただきましたが、まだまだ紹介したいことや、書き残したことや、あとで気づいたことなどがありますので、折を見て追記してゆこうと思います。 今回は、SFとして見た場合の『エクリプス・フェ…

エクリプス・フェイズ〜人類を災厄から救うのは君だ!〜

EP

AGS様で新しい更新がありました。 『エクリプス・フェイズ』(Eclipse Phase):さぁ黄昏の未来世界にようこそ!: Analog Game Studies Posthuman StudiosのRob Boyle作成のSFTRPG『Eclipse Phase』(以下、『エクリプス・フェイズ』)です。 大変面白そ…

D&Dとサイオニック

AGS様が更新されました。今回は『サイオニックの書』の紹介です。 ロバート・J・シュワルブ/アリ・マーメル『サイオニックの書』(滝野原南生/柳田真坂樹他訳、ホビージャパン)でサイオニック・セッションを!: Analog Game Studies サイオニックの歴…

『冒険王道』と遊ぶということ

子どもたちにダイスを。 こちらは、小学校でのクラブの時間(選択授業みたいな感じで時間割にあるそうです)で、TRPGクラブをされているほくろんさんのページです。 実際のプレイのレポートと、そして小学生と遊ぶためのオリジナルシステム『冒険王道』…

ゲームブックの過去と未来

過去 AGS様が更新されました。*1 今回は、小珠泰之介様によるゲームブックの記事です。 ゲームブックとの邂逅: Analog Game Studies 一読して大きくうなずくことばかり。 なんのことはなくxenothもゲームブック世代で、ウォーロックの藤浪智之(わきあか…

ゲームブックはじめて物語

ゲームブックの過去と未来 ゲームブックの過去と未来 - xenothの日記 なんて記事を書いたので、ちょっと、ゲームブックの起源について調べてみました。 といっても、英語版Wikipediaを見ただけなんですが、結構面白い情報が沢山あったので、紹介させていただ…

お返事お待ちしてます

一週間ほど前に、AGS様に感想とお願いのメールをお送りしました。 岡和田様、AGSの皆様がお忙しいのか、お返事がまだ届いていませんが、もしメールが不着あるいは見過ごされていると困るので、こちらでも記事として掲載させていただきます。 もし関係者や…

ゲーム性と自由度

要約 前回の記事では、ゲーム性とされるものを、「自己表現」「自己実現」「共有」の3つの視点から分析した。 ゲーム性と同時によく使われる曖昧な言葉である「自由度」も、「自己表現」「自己実現」「共有」の3点から分析することができる。 この時、それ…

ローマとペルシャと『秘身譚』

『秘身譚』とルナー帝国連載開始! AGS様で、新しい記事が追加されました。 今回は、伊藤真美氏*1の新作『秘身譚』と、グローランサの関係を、なんと担当編集の方の記事としていただいています。 『秘身譚』とルナー帝国(第1回): Analog Game Studies …

ゲームの面白さの一考察

要約 ゲームの面白さは、当然ながら、面白がる人間の心の中にあるもので、それは心理学的なものである。 ルール・システムの数学的分析は重要だが、それは心理学的な面白さを前提にしなければ意味が無い。 心理学的な面白さを考えるキーワードとして、「自己…

メディア間の翻訳〜指輪物語の場合〜

指輪物語の昏さ 映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作が切り捨てたもの | 限界小説研究会BLOG →(移転し、加筆修正されました。) 映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作が切り捨てたもの――『指輪物語』における“昏さ”の意義について(岡和田晃) : 2…

ニューウェーブSFとTRPG

読解再び このブログでも二回ほど触れた、岡和田氏のWローズおよび門倉直人氏の作品に関するエッセイ「忘れたという、その空白の隙間で−−門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」を、AGSのほうで紹介されておりました。 「忘れたという、その空白の隙間…

謹んで新年のお慶びを申し上げます

本年もよろしくお願いします。 この不定期更新のxenothの日記も、今年は年末にかけて数多く更新しました。 それというのも、毎回、興味深い記事を書かれるAGS様のおかげです。 様々に考える種をいただき、xenothなりに膨らませてみました。 来年も、Analog G…

『DBA』とミニュチュアウォーゲーム

超お手軽&本格ミニチュアウォーゲーム『DBA』 今回のAGSの更新は、こちら。 DBA(De Bellis Antiquitatis):上古の戦場にようこそ!: Analog Game Studies 蔵原氏による、ミニチュアウォーゲーム『DBA』のプレイレポートとなります。 『DBA…

対談感想その3

つれづれ 各段落のとりとめない感想。前後したり重なったりしています。 80年代シナリオ 岡和田: シナリオに話を戻しますと、箱庭RPGに興味がある人は、『ウォーハンマーRPG』の資料やシナリオ読むべきですよ。いや、本当に。 高橋: まあ……1980年代までの、…