2007-01-01から1年間の記事一覧

ノウハウのシステム化

鏡さんへのお返事。 http://www.rpgjapan.com/kagami/2007/12/post_120.html 合意の件は、まさしく仰る通りです。私は、「自由」な遊び方こそ卓上RPGの最も原始的な遊び方である、と考えています。そもそも卓上RPGは、互いに信頼する仲間同士で遊ぶための道…

ハンドアウトの便利さ

なんとなくハンドアウトについて。 ハンドアウトと時間配分 ハンドアウトの利点としてGMがシナリオを書く時間というのがあります。 例えばキャラクターの設定を積極的に取り入れるシナリオを作ろうとしたとします。 ハンドアウト無しだとすると、PL全員…

現実的な権限の委譲

鏡さんへのお返事。 http://www.rpgjapan.com/kagami/2007/12/post_119.html 「反省会」だろうと「アフタープレイ」だろうと、「建設的な」即ち「物事を積極的・発展的に進めようとする」意見交換ができれば良し、ということには異論ありません。「つまらな…

TRPGと複雑な物語性 続き

これまでの記事 http://d.hatena.ne.jp/xenoth/20071217/p1 http://d.hatena.ne.jp/xenoth/20071218/p2 努力の否定 或いは寄り道の肯定 TRPGは、基本的に、パーティで特定の目的を達成するゲームである。 通常のボードゲームであれば、最短距離、最高効…

演技って面白いよね

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071223/1198393681 id:gginc氏の日記の考察。 TRPGはあくまで、ゲーム的な思考と、創作文芸的な解釈プロセスの両方の〈意志決定〉を楽しむものであり、出力結果としての「表現」の巧拙を過剰に評価するものではありません。私…

無駄な忍耐はしたくないなぁ

まず、「反省会」についてはご指摘の通りで、またゲームプレイ本編も「自由に言いたいことを言える場」であって欲しい、というのが私の願いです。更に言うなら、「反省会」がうまくいかなかったからといって「反省」という言葉のせいにするというのは、「言…

反省会って言葉は本当はネガティブじゃないかもしれないけど、例えば初対面の人とそこまで分かり合うのは難しいなぁ

http://www.rpgjapan.com/kagami/2007/12/post_115.html 鏡さんからお返事いただきました。 さて、「反省会」という名称が改善すべき点の提起を強制する、というxenothさんのご心配はもっともだと思います。しかし、それを理由として「反省会」を除けば、今…

モチベが大切な理由

さて、セッションの上達のために反省は重要ですが、もっと重要なのは、次のセッションを行うことです。 当たり前の話ですが、どんだけ反省したところで、次にセッションやらないと意味がない。上達が奥深さを与えるという議論でも、そもそもゲームを続けるこ…

TRPGと複雑な物語性

http://d.hatena.ne.jp/xenoth/20071217/p1 前回の記事では、TRPGが、ゲームを中心に置くために、必然的にそこから生まれる物語が限定されやすいことについて述べた。 具体的に言うと、努力・友情・勝利といった物語が相性がいい。 それはそれで面白く素…

TRPGと物語性、あるいは、なぜTRPGはジャンプ化するか

TRPGは物語を作る装置でもある。一方で、現状のTRPGの作る物語の多くは、戦闘→戦闘→ハッピーエンド的な、素朴な、あるいはある種のラノベ的なものが多い。 このへんについて考察する。 物語性 さてさて、物語性を語る時に、構造の複雑さやテーマの抽…

ロールプレイは演技するという意味です

間違っていたら教えてほしいが、馬場理論の基本の一つは「ロールプレイと演技は別物である」というものであった。 ロールプレイとは、ゲームにおける自分の役割を遂行することであって、例えば、ファイターなら味方の盾となり敵を攻撃するといったこと、それ…

FEARの消費期限とか色々

id:ggincさんのところに、トラックバックおよびコメントのブロックを受けているようである。 議論をする価値がないと思われたのだろう。 さておき、FEARの消費期限については、書いた通り疑問は残る。xenothの前提把握が甘いとすれば、個人的には、どの…

事前目標優先の例、他

鏡さんからお返事頂きました。 http://www.rpgjapan.com/kagami/2007/12/xenoth.html 事前の目標が事後評価を抑圧する好例は、「セッション成功」のために「反省会」をすべきでない、という意見に見られます。「反省会」で「つまらなかった」などと「ネガテ…

FEARゲーが皆同じに見える理由

FEARゲーが同じに見える、という話しはよくある。FEAR社は、変容を改良より優先させている、というのはid:ggincさんの指摘ではあった。 FEARゲーが皆、同じであるかというと、少なくとも同じではないが「似たように見える」場合があることは確か…

続・理論の恐ろしさ、あるいは、全ての楽しさの肯定

理論とは何だろう? さてさてTRPGというのは、大きくてぼんやりした集合である。何がTRPGで何がTRPGでないか、という簡単な問題も、人によって「これはTRPG」「これは違う」とか意見が分かれる部分もある。 逆に言うと、TRPGにおいてど…

改版と消費期限

id:gginc氏が、詳細にデータをあげて分析しておられる。データに乗っかる形でもうしわけないが、まずはデータの分析から。 FEARの版上げについて:事実面 ■[RPGs]主なRPGシステム・版上げの歴史を整理した。 http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071213/11975…

感情移入と演技について

『キャラクタープレイ −あるいは傷つきやすい人々−』 http://www.scoopsrpg.com/contents/baba/baba_19980907.html の、主に文体や印象のほうの批判をしたので、きちんと内容に関して。 ロールプレイと感情移入 だから、初期のRPGにおいて誰かが「戦士を…

F.E.A.R.の商業戦略についてをじっくり読みました

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071211/1197394745 ちなみにid:xenothであってzenothではないのです。 基本ルールブックvsサポート? なお、あくまで「完成度の高さ」とは別の意味である。単品でルールブックが遊べても、サポートがあるとないとで劇的に面…

FEARの商業戦略について

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071211/1197384901 お返事いただいたので、ざっと読みました。 FEAR社のルールブックは、単独では使えない? FEARがゲーマーズフィールド他で、手厚いサポートを行っている、ということは、「サポートが必要ないルー…

理論の恐ろしさ、あるいはなぜ馬場理論が嫌われるか

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071210/1197269049 より ただし、私は自分の論考に多くの誤りや偏見が含まれてあろうことを、喜んで認めるし、そのことを何ら恥じるものではない。論文の著者は、それが真摯かつ責任ある考察の産物であり、積み重なってゆくも…

GMに還流するビジネスモデル?

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071204/1196749425 こちらより。 TRPGの不完全性? TRPG市場においてなぜこのような齟齬が起きるのか。それは、ロールプレイング・ゲームにおいて商品・サービスの中心となっている〈システムデザイン〉が、本質的に不完…

再び、TRPGの自由について、ものおもう&鏡さんへの質問

対して「自由」は、強いて言うなら質的な指針です。「ある」か「ない」かだけの問題で、中間はありません。自分で決断するのが「自由である」状態で、私はこちらが自然な状態だと考えます。そういう「自由」をあえて放棄し、他人に決断を委ねる「自由でない…

TRPGの面白さについて物思う

SAK(市民、あなたは幸福、ですか?)メソッド 卓上RPGにおける「管理」は、まずゲームプレイを「面白い」ものと「つまらない」ものとに分けるところから始まります。この両極端な評価は、実際に行ったゲームプレイへの事後評価というよりも、むしろゲー…

TRPGの自由について物思う

引き続き、TRPGの「自由」について、である。 ここでは自由を以下の三つに分けて考えてみよう。 「権利」としての自由 「自由度」の総量 「意味のある手」の総量 たいていの場合、「自由=善」という前提で語られることが多い。逆に言うと、何かに対して…

TRPGについてもの思う

http://www.rpgjapan.com/kagami/2007/10/post_99.html TRPG日本の、鏡さんの一連のエントリを見て、物思うことを幾つか。 シナリオクラフトのコンセプトについて まず、単純な誤解から。 http://www.rpgjapan.com/kagami/2007/10/post_100.html さて、…