ゲームブックはじめて物語

ゲームブックの過去と未来
ゲームブックの過去と未来 - xenothの日記
なんて記事を書いたので、ちょっと、ゲームブックの起源について調べてみました。
といっても、英語版Wikipediaを見ただけなんですが、結構面白い情報が沢山あったので、紹介させていただきます。

ゲームブックの歴史

Gamebook - Wikipedia
以下の記事は、上記のWikipediaページよりの抜粋紹介となります。
ウィキペディアによると、黎明期のゲームブックとして確認できるものの中には、あの幻想小説作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの作品があります。
ボルヘスは、「円環」や「無限」、「迷宮」といったテーマを扱ったアルゼンチンの作家です。
有名なのは、過去未来に存在したあるいは存在しうる、あらゆる本を収録した巨大な図書館を描く短編『バベルの図書館』。
TRPGプレイヤーには、伝説の獣に様々な創作を混ぜあわせた『幻獣辞典』なんかが馴染み深いかもしれません。


そのボルヘスの『伝奇集』に『ハーバート・クエインの作品の検討』という短編があり、これは架空の作家、ハーバート・クエインの(架空の)遺構を検討するものですが、その中の『April March(四月、三月)』で、ゲームブック的な小説が検討されています。この作品は、題名どおり、4月から始まり、過去へ遡るように書かれ、さらにそこに分岐があるので、複数の過去へ分岐してゆくという形になっています。
『八岐の園』も、同様に概念としてのゲームブックを描いた短編で、作中作である『八岐の園』が(大変乱暴に言えば)ゲームブックだったりします。


実際に書かれたゲームブックとしては、アメリカでは50年代後半に教育目的で多数作られており、その元は心理学者で行動分析学創始者であるバラス・スキナーのアイディアだそうです。


教科書、マニュアルでない、文学としてのゲームブックは、(ニューウェーブSFの出自ともかぶりますが)1960年代に様々な文学実験が行われた頃、各国で同時発生されたと考えられ、Wikipediaでは、フランスのウリポというグループによって、「樹状文学(Tree Literature)」として研究され、レイモンド・キアヌによって「あなた流の物語(Un conte à votre)」として出版されています。
デザインがちょっと面白いので紹介。
http://www.kb.nl/bc/koopman/1976-1989/c04-en.html
一瞬、ボードゲームか、と、思いますが、デザインは全ページ共通。
内容は、野菜を巡るお伽話めいたお話だそうです。


他にもSF作家のジョン・スラデックが書いてるとか色々あるようですね。
1967年に、E. W. Hildickの書いたLucky Lesは、猫が主人公のゲームブック。この表紙は遊びたくなりますね。
http://www.gamebooks.org/show_item.php?id=1650

CYOA

欧米圏で、ゲームブックが本格的にブレイクしたのは、バンタムブックスの『Choose Your Own Adventure』シリーズ。これが大ブレイクし、なんと184作品を超える大シリーズとなり、空前のゲームブックブームを世界的に作り上げます。
『CYOA』シリーズは、日本では、学習研究社(現・学研ホールディングス)が『きみならどうする?』シリーズとして、翻訳しています(6冊刊行)。


そこから、TRPGのシステムをフィードバックした『火吹き山の魔法使い』がPengin BooksのPuffin Booksレーベルから発売され、それがまた数々の地平を切り開いたことは、ご存知の通りです*1


以上、かけあしのWikipedia情報紹介でした。

*1:その影響の一つにTRPG『ファイティング・ファンタジー』、『混沌の渦』のPuffin Booksからの発売があります。