FEARゲーが皆同じに見える理由

FEARゲーが同じに見える、という話しはよくある。FEAR社は、変容を改良より優先させている、というのはid:ggincさんの指摘ではあった。


FEARゲーが皆、同じであるかというと、少なくとも同じではないが「似たように見える」場合があることは確かであり、そこには理由があるだろう。


理由は様々に考えられるが、本稿では「技術の共用」という点に注目する。

技術の共用

TRPGをシステムとして考えた場合、あるシステムにおける問題解決の方法は、別のシステムでも応用が利くだろう。
プログラム業界では「車輪の再発明」という言葉が言われる。
先人が作って後継者が磨き上げた十分使える道具がある時に、わざわざそれを無視して自分で新しい物を作ろうとするのは、非効率である、という話だ。


FEAR社の場合、時間を掛けて革新的なシステムを幾つも打ち出している。
シーン制、PC間関係決定、ハンドアウト、PCナンバリング、シナリオクラフトetc,etc。
そして、ここが重要なのだが、一度得られた技術は、少しずつ改良しながら、他のシステムにも必要に応じて実装している。


例えばシナリオクラフト技術は、アルシャードffから始まり、アルシャード・ガイア、ダブルクロスにも実装された。今後、他のゲームにもシナリオクラフトが実装される可能性は高い。


これに対して、二つの見方がある。
1.FEARは、シナリオクラフトという新技術を生み出し、それをシステムに組み込んだ。
2.FEAR社のゲームは、どれもシナリオクラフトがついてて、似たように見える。


時に「2」のように見えるのは、一つの弱点でもある。ただ、きちんとシステム批評を行うのであれば「1」を忘れてはいけない。FEAR社のゲームは、変容し続けているのだ。