システムへの評価

ただまあ、某社のシステム以降
「事故」「惨事」「失敗」「地雷」
という概念が導入され
「***というシステムは失敗しやすいので気心の知れたクローズドなメンツじゃないと出来んなあ」
と弾圧されたのは、身近なところで事実としてあったりしたわけですよ。

http://simizuna.exblog.jp/11227656/
コメント欄

セッションと事故

上記において、紙魚砂さんは、FEAR社が、他のTRPGシステムを弾圧していることを語っている。
さて、私の感覚だが「事故」「惨事」「失敗」「地雷」という概念は、昔から存在した。
セッションがうまくいかなかい理由は様々だが、安直にGMのせいやシステムのせいとされることもよくあった。
「***というシステムは失敗しやすいので〜」という話は、昔から存在する。
その意味では、紙魚砂さんの言っていることは的外れだ。

FEAR社と事故らない努力

事故という概念があるからこそ、事故らないようなシステムの研究は常にされてきた。
さて、FEAR社の場合、わかりやすいところで「ゴールデンルール」「ハンドアウト」等を、システムとして明示することで、事故りにくい方法論を編み出した。


言うまでもないが、これらは、事故りにくい方法論の「一つ」であって、システム、デザインコンセプトに合わせて、様々な方法論が存在する。
ゴールデンルールやハンドアウトがないシステムが全て事故りやすい、ということ、ではない*1


なのだが、FEAR社のゲーム以外のプレイ経験が少ない人の中で、見知ったシステムがないことを原因に「このシステムはダメだ」と決めつけてしまう人は、それはいるだろう。
紙魚砂さんの身近なところで起きた不満は、そのようなものであったとは思う。

色々なゲームを遊ぼうぜ

しかしまぁ、これらは、売れてるシステムの宿命である。
俺の記憶してる限り「D&Dとここが違うからダメだ」とか「ソードワールドとここが違うからダメ」だ、というような一面的な物言いは、昔からあった。


システムAしかやってなくて、システムAの遊び方しかしらない人が、システムBのルールをよく理解せずにシステムAのプレイスタイルで無理に遊ぶことで失敗し、その原因をシステムBのせいにしてしまう、というのは、悲しいけど、よくある話だ。


昔、xenothが最初に「クトゥルフの呼び声」のキーパーをやった時は、館のマップを描いて、モンスターを配置した。ドアを開けると、ビヤーキーや深きものどもがいて襲ってくる。頭がD&D脳だったから、それ以外のシナリオの発想ができなかったのだ。ま、プレイヤーのほうも似たようなものだった。
そういうゲームじゃないというのはルールブックに書いてあったし、サンプルシナリオを読めば理解することもできたが、やっぱりよくわかってなかったのだ。


ここまで極端でなくても、似たような話はたくさんあるだろう。なのでまぁ、プレイヤーとしては、色々なシステムを虚心に遊びつつ、経験の足りない人にも、それを伝えてゆこう、というのがいいだろう。
会社、デザイナーの立場としては、自分のシステムのコンセプトを明確化しつつ、他のコンセプトを安易に否定するようなことを言わないのが、良いだろう。
で、FEAR社は、自社のコンセプトを明確にしてるようだし、他社のコンセプトを否定した記事もないと私は思う。


もちろん、FEAR社の自社サポートでは、他社製品に直接言及することは難しい。
なので、各社のシステムを横断的にコンセプトを比較し、それぞれの遊び方について語る記事が増えれば、こうした誤解は、より減るかも知れない。
それはFEAR社単体の仕事ではなく、中立的なライターや、あるいは、それこそ我々プレイヤーがネットに書いて蓄積してゆくことがいいだろう。

*1:FEAR社でもハンドアウトがデフォルトでないシステムもあるし、ゴールデンルールというのは、私の知ってる限り、ストーリーテラーシリーズが発端である