ゴールデンルールまたたび

例によって紙魚砂さんの勘違いシリーズです。

ゴールデンルールを振りかざす人って


「時間がないから」


といつも言うんですけど、それに対して


「いや、それはあなた(GM)が、
 やりたいことを過剰に詰め込み過ぎたシナリオを作ってるせいで、
 PLの言い分を聞く時間が確保できてないだけでしょう」


という見解だったのですが、


本当にその通りでマジ受けた!

まずゴールデンルールでは、PLがルールの適用に疑問を持った時に、GMが普通にPLと話し合うことを禁止していません(手元だと、アルシャード初版からそうです。それ以前に違う記述があったら教えてください)。
ですので「ゴールデンルールを振りかざすのが時間云々」は、まず間違いです。


ゴールデンルールとは別のプレイテクニックとしてよく言われることに、ゲーム中に、ルール議論をしない、というのがあります。私も、自分がGMの時は、あまりルール議論に時間を割きたくありません。


これは、「時間がない」ことが理由ではありません。仮に時間が余っていても、ルール議論は私は避けます。


一つには、興ざめだからです。
TRPGというのは、キャラクターや状況への感情移入が大事なゲームです。キャラ視点とプレイヤー視点がまざった形でゲームをしています。
ルール談義をしている時は、キャラ視点が無くなり、完全にプレイヤー視点のみになります。
つまり、目の前のダンジョンとか怪物とかNPCヒロインとかが一旦どうでもよくなるわけです。
ルール談義が終わって戻って来ても、最初のハラハラした気分は、どっかに言ってる場合が多いです。
この場合、ルール談義をしている長さ、実際のゲームから離れている長さが問題なのであって、プレイ時間が何分か、は、関係ありません。


それでももし、誰かがどうしても、ルール解釈の是非をつけたいのなら、ちゃんと話をする必要もあるかもですが、実際にはそうじゃない。
ルールに関する議論が出てくるのは、基本、PLが「このルールで、こういうことができる」という前提で準備してきたのに、それが出来なくなった、という場合です。
そういう場合、重要なのは「ルール解釈が正しいのはどちらか」ではなくて「PLのやりたいことと、現状をどう折り合わせるか」なわけです。
私なら、そうした方面で相談をし、その際は、ゴールデンルール(ルールの公平な運用と、PL有利の原則)を考慮するので、そこで、たいていPLの「ルール談義をしたい気持ち」は収まります。
個人的には、完全にPL1人の問題なら積極的にアイディアを拾いますが、ルールの公平な運用に引っかかりそうな場合は、そのことを告げて却下を納得させるか、あるいは、他のプレイヤーも含めた全員に納得してもらえる方向を作ります。


最後に滅多にないですが、特定ルールの解釈が通ると、シナリオ、セッションが破綻するという場合があります。そういう時は、議論せずに、そのことをはっきり言って、「今回のセッションはすまんがこうさせてくれ」と俺は言います。
こういう時に、「俺の解釈が正しい」と言い張ると、すげー遺恨が残って、残りのゲームがつまらなくなったりもします。


繰り返しますが、ゴールデンルールも、ルール議論をしない方針も、納得いかないプレイヤーをぶったぎって置いてきぼりにするためにあるのではありません。
むしろ、プレイヤーの意図をフォローしつつ、かつ、ゲームの興を殺がないためにあるわけです。