無料だからこそいいものを

[RPGs]教材としてのD20・SRS
http://d.hatena.ne.jp/gginc/20080311/1205263234#20080311fn4

「個人利用」の範囲でフリーでまわして配布できるD&D簡易版みたいなシステムを作って、D&D3.5版3冊(2万円相当)を買う金がない子供たちにTRPGの面白さの基礎を伝えられるGMがいたら、既存システム全体の売り上げもだいぶ変わってくるんじゃないですかね?

無料のTRPGシステム自体は、良いアイディアだと思います。


ただ、確かにD&D3rd3冊だと高いかもしれませんが、それに関してはD&Dビギナーズセットとかありますな。フィギュア、フロアタイル、ルールサマリーつきで5000円。あのクオリティはなかなか。
D&Dに限らなければ、入門用という位置づけの文庫TRPGが1000円以内のが全国の書店で買えます。
今の日本においてTRPGは、そこまで高いものではないので、無料システムというのが、単に導入コストを減らす、というだけなら、画期的な価値はないでしょう。
無料でつまらないものよりは、千円払って面白いもののほうが良いということはあります。


無料システムにどのような価値を持たせるかは考えたほうが良いかと。

 いまデジタルゲーム業界でプランナー業をやってる方々は、学生時代のうちに多かれ少なかれ自分でそういう環境を作ってきたと思うのですが、そういうのを組織的に提供すれば、ゲームエリートならぬゲームデザイン・エリートが増え、今のゲーム業界ももっと面白くなるのではないでしょうか。今TRPGを現役で楽しんでいる人にとっても、悪くない投資ですね。

例えば、個人で買えないような専用ワークステーションとかプロ仕様ソフトとかに、若いうちから親しんでもらおう、という試みがありますね。そういうのは面白いと思います。
ただ、アナログゲームって、ぶっちゃけ、そこまで高くないですよね。
自分で買えよ、自分でっていうか。そこで自腹切らないやつが、エリートになれるわけないだろ、という。


最初の一歩として気軽に触れてもらう、という機会を作ったりするのは賛成です。が、「無料」にすれば人が増えるか、というと違うと思います。

どこまでデチューン*2を掛ければ、プロの方に迷惑がかからない「教材用システム」として認められるか。

デチューンかけるのはやめたほうがいいでしょう。
その無料TRPGシステムで、生まれて初めてTRPGに触れる人もいるわけですよね。そういう人に、わざわざ水で薄めたつまらんものを遊んでもらって、あんまりいいことがあるとは思えません。


無料TRPGシステムが「安い」というだけなら、それはたいしたメリットではありません。安かろう悪かろうというものは、誰も求めていないのです。
無料TRPGシステムに意味があるとしたら、非商業であるということを生かした、独自性、面白さを提示できるかどうかではないでしょうか。

D20システム、あるいはSRSシステムから商業TRPGの購入へと移行させる場合、どういう評価基準でTRPGシステムの〈システム選択能力〉を身に付けてもらえばよいか。


これは、D&Dばっかり遊んでD厨になったり、ソードワールドばっかり遊んでソ厨になったり、F.E.A.Rゲー遊んでばっかりでFEAR厨になったり、冒険企画局ばっかり遊んで冒厨になったり、Aマホばっかり遊んでα厨になったり、海外TRPGばっかり遊んで海外厨になったり、えーともういい? ともかくそういう偏食ゲーマーを生み出す不幸を防ぐためです。私はそれぞれのゲームは好きですが、そういう立場を黙認したまま〈システム選択能力〉を狭めるのはちょっとごめんです。

日本語の障壁を考えると、一番難易度が低いので使えるものはSRSですが、こちらはこちらで、2d6で進行管理となると、SRSからアクロバティックに進化した『天羅WAR』くらいうまくできるGMでない限りは、あまり面白そうなのができなさそうな感じがします。

前半は賛成です。色々なシステムを遊べるゲーマーが増えてほしいですね。
で、その同じ記事で「SRSは、2d6で進行管理があるからつまらんだろう」という風に安直にシステムをけなしてるのは、かなりどうかと思うのです。