よくある誤解

全く甘くないリンゴは不味い。

紙魚砂さんよりトラックバックをいただいた。
http://simizuna.exblog.jp/8010350

TRPGがゲームであるべきと考えられる理由:(・_・)
端的に言うと

・ゲームでないTRPGはつまらないと思うから

でしょうな。僕自身の体験としては、実際とてもつまらなくてとてもつらかったので^^;、ゲーム性は必要だと思ってます。わりと切実に。

どういうセッションをしたのかわかりませんが、現行のシステムで、「ゲームでないTRPG」は、そりゃつまらないと思います。
xenothが言ってるのは、「ゲーム性」は「他の面白さ」と組み合わさって、TRPGを面白くする、という話なんで、ゲーム性を抜いたTRPGが面白いとも、望ましいとも思いません。


リンゴのおいしさは、「甘さ」だけじゃない。「酸っぱさ」「食感」「香り」「色つや」などの組み合わせで出来てる、という話をしてるんであって、「全然甘くないリンゴ」は、ま、普通に考えればまずいでしょう。


「ゲーム性が全くないTRPG」システムというのは私の知る限り、存在していません*1。システムコンセプトを無視して、セッションでそういうことをやろうとしたら、多分つまらなくなるでしょう。

・アクションによって展開なり結末なり結果が変わり得る(インタラクティブ性)
・より良い結果を得るための戦術なり戦略がある

という部分がTRPG的面白さとして必要だと思われてるっつーことかと。

これは全く賛成で、現行、それを抜きにして成立するTRPGってのは、まぁないんじゃないかと。さらに言いますと、たいていのTRPGでは、「インタラクティブ性」と「戦術」が面白さの核にあって、他の要素は、それを補佐するためにある、と言える場合がほとんどでしょう。
ただ、例えば、戦術性が全てなら、「負けプレイ」は全く意味がないのか、排除されるべきなのか、というと、そうでもない、というのは前に書きました*2
ここでゲーム性を拡張して「負けプレイ」もゲーム性の一部だ、とするか、あるいは、「負けプレイ」はゲーム性以外の楽しみだとするかは、人それぞれでしょう。そのへんは、個々の議論の妥当性の問題になります。


要するに、リンゴのおいしさを、甘さだけで捉えようとすると、「砂糖どばどばかけたリンゴ最高!」みたいなことになりやすいから、そうならんよう気を付けようね、というくらいの話です。

*1:もちろん、誰かがそういうコンセプトでデザインして、まかりまちがって、すごい面白いものができる可能性はあるし、そうなったら、考えを改める。ま、それは従来のTRPGとはずいぶん違うものになるから、TRPGとは呼ばれない可能性もあるが。甘くないリンゴを追求したら、トマトになったみたいな。

*2:http://d.hatena.ne.jp/xenoth/20071223/p1