自由とコストその3

鏡さんとの議論シリーズその3です。

コスト概念

前回、TRPGをプレイする際のコストを定義しました。
簡単に言うと、Aさんが、何かした際、Aさんおよび他のプレイヤー(GMを含む)にコストが発生します、という話でした。
「Aさんが、NPCと話す→Aさんのコスト1、Bさんのコスト1、Cさんのコスト1、対応するGM、予想通りの展開なのでコスト1」
「Aさんが、NPCをいきなり刺す→Aさんのコスト1、NPCと仲良くなろうと思い、そのためにロールプレイをしていたBさん、事前準備が吹っ飛んでコスト10、特に考えてなかったCさんのコスト0、NPCを中心にシナリオを作っていたGM、新たな展開を考えるためにコスト10」みたいな感じです。


コストというのは、もちろん簡単に数値化できるものばかりではありませんが、まぁ、話の進行上、数値で表してみます。

リターン概念

さてさて、大きなコストをかけるのは、そのほうが面白い結果を得られる、と、信じるからです。行動の結果、得られる楽しさをリターンと定義してみましょう。


AさんがNPCを刺した結果、以下のようになったとします。


Aさんのリターン→殺伐とした展開に満足      +30
Bさんのリターン→殺伐とした展開に嫌気      −30
Cさんのリターン→この展開はなしかなぁ      −10
 GMのリターン→予想外のアドリブ展開うまくいかず−50


この時、Aさんの利益は、(リターン+30)−コスト1=29となります。
同様に、Bさんの利益は−41、Cさんの利益は−10、GMの利益は−60となります。
合計した場合、卓全体の利益は−82。
まぁAさん個人は面白かったかもしれんが、他の人はつまらなかった、ということですね。

リスク概念

もちろん、上は、Aさんのやり方次第では、もっと面白い展開になったかもしれない。
例えば。


Aさんのリターン→殺伐とした展開に満足 +30
Bさんのリターン→予想外だけどこれはこれで面白いかも+10
Cさんのリターン→NPCが死ぬ展開もありかも+10
GMのリターン→アドリブでやってみたら面白いセッションになった+20


この場合、卓全体の利益は、+59となります。予想外の行動だが、やってみたらみんな面白かった、というパターンです。
さてさて、二つ以上の展開があり得る場合、確率を加味して利益を計算することができます。
つまり、
(うまくいく確率)*(うまくいった場合の利益)+(失敗した確率)*(失敗した場合の利益)
という感じですね*1


以上、もちろん面白さというのは単純に数値化できるものでもなく、確率というのも単純に定義できるものではない上で、例えば、こういう分析ができる、という視点です。
ここまで、鏡さん、よろしいでしょうか?

*1:細かいことをいうと、うまくいったと感じるかどうかは人それぞれなので、GMは面白かったがBさんはつまらないと感じた、という場合なども当然あり、プレイヤーそれぞれのリターンに、それぞれの確率をかけて合計する必要があります